第九章:名も無き星の光
帝国を救った『大災』の激闘の果て、主である太陽姫プリシラを失ったアルは、彼女の最期を知るためプレアデス監視塔にある『死者の書』を求める。主を想うアルの切実な願いを受け入れたスバルたちは、再びアウグリア砂丘を越えて監視塔へと足を踏み入れる。,しかし到達した監視塔でアルは突如として豹変。スバルを陰系統の最高峰禁術『オル・シャマク』の黒い球体へと封印し、排除する。さらに一層の『神龍』ボルカニカの空の竜殻を奪い取り、自らの魂と記憶を植え付けた怪物『神龍アルデバラン』へと昇華させるのだった。,「世界を終わらせる存在」の誕生を阻止するという己の目的を果たすため、アルデバランは無敵の『剣聖』ラインハルト・ヴァン・アストレアと激突。『神龍』の圧倒的な力と自らの領域能力を駆使し、実に十三万二千回を超える死の試行錯誤(ループ)の末にラインハルトを攻略。封印されていた『嫉妬の魔女』の影をも利用してラインハルトを足止めすることに成功する。,最強の剣聖を退けたアルは、ハインケル・アストレアおよび帝国の暗殺者ヤエ・テンゼンの2名と合流し、王都ルグニカを目指す。その道中、ロム爺が指揮を執るフェルト陣営をはじめとする追っ手が行方を阻むも、アルは自身のループ能力を駆使してすべての包囲網を緻密に打ち破っていく。,アル一味は混乱の極みにある王都へと潜入。その目的は、地下監獄塔に幽閉されている『暴食』の大罪司教ロイ・アルファルドの解放であった。アルが監獄塔でロイの封印を解除した瞬間、『暴食』の権能による支配の縛りが一時的に弛緩し、これまで喰らわれていた無数の「名前」と「記憶」が世界へと還元され始める。,この現象により、長らく失われていたレムの記憶が奇跡的に復活。世界中から消え去っていた彼女の存在と記憶が一気に復元され、姉のラムは最愛の妹の完全なる目覚めに感涙を流す。そしてレムは、さらわれた最愛のスバルとベアトリスを救い出すため、即座に戦線へと加わる。,アルの暴走を食い止めるため、ペトラ・レイテは自らの未来の可能性を代償にし、クリンドから『憂鬱』の魔女因子を継承して『憂鬱の魔女』へと覚醒。時間や思考を劇的に「圧縮」する権能を発現させ、各陣営の戦力を集結させた討伐隊『アルデバスターズ』を率いてアル一味を追い詰めていく。,追いつめられた激戦の渦中、アルは『暴食』の力を利用して自身の存在を世界から消し去ろうと試み、その真名――「ナツキ・リゲル」を解き放つ。一方、アルの盾となって戦うヤエ・テンゼンはレムとの死闘の末、「アルを忘れ去りたくない」という切痛な本心に気づき、「星が、悪かったんです、アル様……」との言葉を遺して自らの身を投げ出し、アルの悲劇を引き止めるのだった。,『アルデバスターズ』の総力戦と復帰したラインハルトの活躍により、球体に封印されていたスバルとベアトリスがついに救出される。溢れる愛しさと決意を胸に、レムは「また、今の私に……あなたを愛し直させてくださいね」とスバルへ告げ、渾身の一撃でモーニングスターを振り抜き、破滅へと向かう運命を打ち砕く。,死に戻りによってリセットされた世界では、ペトラの魔女化は回避され、レムの記憶も再び失われてしまう。しかし、死のループの中で彼女たちが示した無償の覚悟と愛を引き継いで目覚めたスバルは、敵となったアルに対し「必ず、お前も救ってみせる」と固く誓う。そして、奪われたレムの記憶と名前を完全に取り戻すため、不退転の希望を抱いて王都へと旅立つのだった。
⏳ 死に戻り(ループ)履歴(全2ループ)
監視塔でアルに封印されたスバル。アルは記憶の虚ろな『神龍』ボルカニカの竜殻に自分の記憶を宿らせて味方とし、さらに『暴食』ロイを脱獄させ、王国を揺るがす逃亡劇を展開。ペトラが『憂鬱の魔女』へ覚醒する等の犠牲を払い、レムの記憶が復活するも、戦況は混沌を極める。解放されたスバルは、凄惨な現実を前に死に戻りでのやり直しを決断。スバルの苦しみを理解するレムが彼を救うためモーニングスターで殺害し、世界をリセットした。
レムに殺害されたことで『死に戻り』が発動。監視塔滞在の初日の夜、アルが裏切る直前へと巻き戻る。前ループの愛と覚悟を引き継いで目覚めたスバルは、アルが『オル・シャマク』を編み上げる前にベアトリスと協力して先手を打つ。逆にアルを黒い球体へと封印し、彼の暴走やボルカニカの利用、大罪司教の脱獄を完全に未然に防いだ。スバルは封印されたアルを「必ず救う」と誓い、レムの記憶奪還に向けて王都へ出発する。